書評「ビブリア古書堂の事件手帖 ―栞子さんと奇妙な客人たち」


2012 . 04 . 29 15 : 33  書評
部長のじょなさんです。
なんか最近(?)タイバニの次回予告みたいな名乗り方をしてる人を良く見るような気がします。
そろそろ新しいネタが欲しいところですね。

はっ!

いつもニコニコあなたの隣に這い寄る混沌、じょなさんです☆

これでいいはずだ。わからない人はぐぐろう。

とりあえず、書評しましょうか

ビブリア古書堂の事件手帖―栞子さんと奇妙な客人たち (メディアワークス文庫)ビブリア古書堂の事件手帖―栞子さんと奇妙な客人たち (メディアワークス文庫)
(2011/03/25)
三上 延

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2012年の本屋大賞の8位になった『ビブリア古書堂の事件手帖 ―栞子さんと奇妙な客人たち』です。

年代物の本をとり扱うビブリア古書堂。
その店主である栞子さんは美人だが、極度の恥ずかしがりで引っ込み思案な女性。
しかし、古書に関することになると途端に饒舌になり、それにかかわる謎を解き明かしていく。


いわゆる「日常の謎」といわれるジャンルのミステリーです。
派手な事件や手に汗握るような展開は少ないですが、現実の日常に密接した「リアル感」が売りなジャンルです。
ですから、えげつない事件展開や派手なアクションを期待してミステリーを読むような人にはおすすめできないジャンルですね。
しかし、派手でないからこそ「自分の周りでも起こるのでは?」「自分もこんな風に事件を解決できるのではないだろうか?」と想像させてくれる楽しいジャンルでもあります。
最近の有名どころでは最近京都アニメーション制作でアニメ化された米澤穂信の古典部シリーズ『氷菓』なども「日常の謎」に分類されます。
『氷菓』が好きな人はこの本も好きになるかもしれません。

中身の論評に入りますと、ミステリーとしてはなかなか上等な部類ではないかなと思います。
伏線もきっちり貼られていますし、特別無理やりだと思うトリックなんかもない(日常の謎ではそもそもあまり「トリック」は出てきませんが)。
「ミステリー」として読んでも十分鑑賞に堪えるものだと思います。
ただ物語に起伏が乏しいので、本格ミステリーファンには若干物足りないと思うところもあるかもしれません。
あくまでそういう話だという前提で読めば、十分に楽しめるかと。


「ラノベ」的な観点から見ても栞子さん(表紙の女性)が美人ですがかわいらしいところもある女性なのでなかなかグッド。
しかし、基本的に挿絵はないので栞子さん以外の容姿が良くわからないので「萌え」を追求するなら栞子さんオンリーになってしまいかねないのが若干残念。
漫画版も出ているようなのでそちらで補完してもいいかも。


基本的に短編によって構成されていて、短編一個ごとに特定の「古書」がテーマになっています。
たとえば1巻だと
 
夏目漱石『漱石全集・新書版』(岩波書店)
小山清『落穂拾ひ・聖アンデルセン』(新潮文庫)
ヴィノグラードフ・クジミン『論理学入門』(青木文庫)
太宰治『晩年』(砂子屋書房)

となっています。
それぞれその本の内容にどれだけ触れているかはまちまちです。
しかし、この小説を読んだからと言って上の本を読んだ気になれるほど、がっつり解説しているわけではないのであしからず(あたりまえだ)。
ざっくりしたあらすじくらいはわかりますが。

こっから先は私見なのであまり真に受けないように(これより前も当然私見だけど)

この本は出版社アスキー・メディアワークスのメディアワークス文庫から出ています。
アスキー・メディアワークスというのはライトノベル大手の電撃文庫を出している出版社です。
このメディアワークス文庫というのは一言で言ってしまえば「中高生の時に電撃文庫を読んで育った大学生、社会人」をメインターゲットにしている文庫のようです。
ライトノベルよりは一般向けに作ってあるのですね。そして、比較的読みやすいものが多い。
挿絵などは基本的にはありません。
一般の本とライトノベルの違いについては明確な定義はなく、語り始めると非常に長くなるので割愛しますが、とりあえず、メディアワークス文庫から出ている本はライトノベルではありません。そういうことになっています。
しかし、作家の大半は電撃文庫でライトノベルを書いていた作家なのです。
この本の作者の三上延さんもそうですし、有名どころでは有川 浩さんなんかもこの文庫で書いています。

前置きが長くなりましたが何が言いたいかというと、この文庫は2009年12月に創刊されたばかりで知名度が低いということです。
そして、今までこの本を除いて、明確な「ヒット作」というのはありません。
だから、メディアワークスはこの本を「メディアワークス文庫」の代表作にしようとしているのではないかと思うのですよ。要は「看板作品」です。
だから、過剰にプッシュされているような気もしなくもないような……。

もちろん、この本自体は面白いんですが、そこまで推されるほどのものなのかなーという気も……。
ジャンプでアンケート順で後ろの方なのに、もうアニメ化の弾がないからアニメ化されましたみたいな(このたとえ伝わるのか?)。
まあ、あえて歯切れ悪くしておきますが。


「日常の謎」が好きなら買って損はないです。
現在二巻まで発売しています。
是非買ってねー。
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