【10月書評】演じられたタイムトラベル


2013 . 10 . 22 21 : 00  コラボ企画「あいつむぎ」
どうもどうも、ジュジュです。
今夜もやってまいりました、「あいつむぎ」のお時間です。
今回紹介しますのは、コチラ。

演じられたタイムトラベル (メディアワークス文庫)演じられたタイムトラベル (メディアワークス文庫)
(2012/11/22)
土橋 真二郎

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大学生の朝倉僚は、目を覚ますと知らない場所に閉じ込められていた。ずきずきと痛む頭、はっきりとしない直前の記憶、首に巻かれた無骨なワイヤー。そして、その場所には“ある共通点”を持つ人間たちが集められていた。
 かつて制作の頓挫したゲームアプリ【SOD】――その開発者たちが一堂に集められ、ゲームのプレイヤーを“演じる”ことを命じられる。
 矛盾を起こせば死――記憶だけを頼りに“抜け落ちた時間のイベントを補完する”、決死の舞台が幕を開ける!
 土橋真二郎のMW文庫デビュー作『殺戮ゲームの館』に連なる《密室》シリーズ第2弾!

以前も一度別作品を紹介したことがあります、土橋真二郎さんの「演じられたタイムトラベル」です。

土橋さんの作品は大体、主人公が知らない場所で目を覚まします。
土橋さんの作品は大体、主人公達が命を賭けてゲームに興じることになります。

中でもこの作品はおそらくもっとも凝ったゲームのつくりになっているように思います。
よくこんなの思いついたな、としきりに感心するばかりでした。
ゲームの内容は上にある通り『記憶だけを頼りに“抜け落ちた時間のイベントを補完する”』といったものです。
正直これだけではどういったゲームか分からないと思いますが、それは読んでからのお楽しみ。

しかし、ゲーム自体の内容もさることながら、
土橋さんの真骨頂はむしろ、その極限状態における登場人物の心理描写にあると思います。
疑心暗鬼に駆られて仲間を裏切る。生き残るために他者を蹴落とす。
これだけ同系統の話を多く書きながらも、読者を飽きさせないのは
そういったところを丁寧に描写しているからだと思います。


10月分の「あいつむぎ」の紹介は今回で最後となります。
興味をひく作品はあったでしょうか?
良い本と出合えたと思っていただけるなら幸いです。
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