2018.3.28 部会報告


2018 . 03 . 31 18 : 45  部会報告
その週の記録は、平常の更新速度に比して少々間が空いていた。
<試験期間>でもなかろうに、どうした訳だろう。
別タブを開いて暦を参照する。なるほど、前週は国家が規定した祝祭日だ。
では更に前の週は? 当時の日本国で3月14日といえば「ホワイトデー」だが、祝日認定は受けていないはずだ。
……即座には分からなかった。以前の記録か、或いは別所の史料をひっくり返せば判明するかもしれない。面倒だな。
ともあれ優先すべきは一通りの解読だ。画面をスライドして生成り色のパネルを叩いた。
再生、始め。


こんばんは、アカシャです。お久しぶりの文紡ブログ更新ですよ。
27日は後期手続日でしたね。新入生の皆様、お疲れ様でした。
そして合格おめでとうございます!

さっくりと部会報告に参りましょう。
1 新入生の皆様へ
14日の前期手続日、また先程触れました27日におきましては、
我々文紡も密やかに新歓活動を行っておりました。
ブースにいらしてくださった方、手ずからチラシを受け取ってくださった方、
その節はありがとうございました。
健康診断日や茶話会で再びお目にかかれましたら、心より嬉しく思います。

活動の一環で八号館に新歓号を設置しているのですが、
27日はこちらの予想を超えるほど沢山の方が手にとってくださったようで、
部員一同感激しきりでした(* ´ ▽ ` *)
欲しかったのに無かった、という方がいらっしゃいましたら本当に申し訳ありません!!
体制を整えましたので、4月6日の健康診断日には確実に入手出来るはずです。
どうぞ楽しみにお待ちください。

また、公式Twitterでは
部員紹介ツイート140字小説・イラストツイートをお披露目する予定です。
140字小説・イラストはチラシの裏面にもほぼ同じ作品が掲載されておりますが、
実はこのチラシ、三種類ございます
お手元のチラシに載っていない作品も含めて、Twitterでは全作品がご覧になれます!
しかもイラスト作品は魅惑のカラーバージョン!
何卒ご贔屓に、お願い致します。


2 ふたば祭の色々
五月に開催される、主に新入生さんを対象としたお祭りです。
まだまだ準備段階でお話しできることは少ないのですが、
着々と各種作業を進めております。
当日は看板商品のチヂミを焼きつつお出迎え致しますので、
是非いらしてくだされば、と思います。
そういや「チジミ」表記が正しいことをつい最近知りました。でも字面はチヂミの方が好きなんですよね。


ぽてぽてと気の抜けた足音が近付いてきて、私は一旦手を止める。
「調子はどう?」
私の肩越しに、教授がにょきっと首を出した。
「特に変わったことはありません。例年通り、<新歓期>のようですね」
空いた更新間隔の理由が分かった。14日は新歓活動日の一つ<前期手続日>と重なったため、<部会>が開かれなかったのだ。
「ふんふん、そっか。しかし君も物好きだよねえ。
 かろうじて望遠鏡で捉えられるぐらい地味な星の、これまたちっさな島国の電子記録を日がな一日掘り返してるんだから」
「地球史学の第一人者である先生にだけは言われたくありません」
「おや、一丁前の口を利くようになったじゃないか。毎日泣きべそかいてた新人と同一人物とはとても……
 ごめんごめん。んじゃ引き続き頑張ってね」
眠たげな声と共に、教授の顔が引っ込む。軽く頭を下げて画面に向き直った。
記録をスクロールしながら、ふと私は小首を傾げる。
今回、妙に長くないか?


さて、ご報告すべき内容は以上でございます。
しかしここのところのあやつむブログはただ事務的な報告に留まらず
エンターテインメントを提供する風潮になっておりますようで、
私も一発かまさまいでか、と。はい。
とある部員が「最近インフレしてるから、ここらでハードル下げてくれても良いんですよ」と助け船を出してくれたのですが、
それを聞いた瞬間関西人の中でスイッチが入る音がしまして。
「上等やワレェやったろやんけ」という次第です。
いやね、これ幸いと最高の口実に乗っからせてもらおうとも思ったんですけどね。
やっぱり血には抗えません。

と申しましても、万人のお眼鏡に適う名文なんて甚だ手に余りますし、
既にここまでのブログが長すぎます。
最低限お伝えしたいことはもう書いてしまいましたから、この先はご興味のある方だけお進みください。
お読みにならなくとも一切支障はありません。
ここでお帰りになる方も、どうか次回の更新はお目通しくださいね。きっと素晴らしく面白いはずですので。



文化的創作団体「文紡」は、
一見して何やってんだか分からん名前で有名なサークルです。
詳しい内実は公式サイト等をご覧になってもらうとして、
少なくとも文化系のサークルである――ボール投げたり打ったり蹴ったりとは縁遠い、ということは伝わりますでしょう。
そういった性質の団体に得てしてありがちなのが、
新入部員の勧誘に困る
という事態でございます。

主たる活動に「創作」なぞというイロモノを標榜するサークルの構成員は、
視界に過ぎったカモ人間を片っ端から取り囲んで自陣へ連れ去るような手法で集められるものではないのです。
仮にそうやって数を獲得しても、肌に馴染まず去ってしまう確率が高く、
それでは実のある勧誘とは言えません。
逆に言えば、興味のある人はほっといても来てくれるタイプの団体でもあります。
そのほっといても来てくれる皆様、
目下検討中のひょっとすると来てくれるかもしれない皆様に向けて、
当サークルの内情を少しばかり打ち明けようかと存じます。

総じて、色んな人がいます。
加入動機は様々です。
元文芸部員とか元漫研部員の人も、創作経験は皆無に等しかった人もいます。
創作活動に経験年数は関係ありません。何歳の時に始めたって構わないのです。
ちなみに年度ごとの差はあれど理系文系比率・男女比はそこそこ均等です。

表現手法も様々です。
ざっくり文章とイラストに大別こそされますが、
長編・短編・詩、アナログ・デジタル、一枚絵・漫画といった形式の差から
作風・画風といった中身の差を考慮すると、まさに千差万別です。
作品の土壌となる価値観も、当然人によって違います。
これは新歓号にも如実に表れておりますので、
ページを捲って多様さをお確かめくだされば、と思います。

あと驚かれるかもしれませんが、
部員の皆が皆所謂サブカルオタクという訳でもありません。そういう人が少ないと言えば嘘になりますが。
一部が盛り上がっている時に「何言ってるかさっぱり」と顔を見合わせている人は一定数います。
その一定数は違う話題で目を輝かせて熱弁を振るうのです。
で、他の部員はついて行けない代わりに否定もせず「楽しそうで何より」と見守るのが日常風景です。

部員の人柄が十人十色であることは、最早言うまでもありません。
「創作が好き」の一点以外は何でもありの、るつぼのようなサークルです。

さて、何かしらの作り話をこさえる人間の大多数にとって、
喉から手が出るほど渇望する台詞があります。
本心からの「面白かった!」と
忌憚の無い「ここ間違ってますよ」です。
これはもう、小説にせよイラストにせよ立体造形にせよ
何か作って公衆の面前にさらけ出す機会が一度でもあれば、
殆どの人が実感することだと思います。

そして同時に、その環境を実現するのがどれほど難しいかも思い知ります。
家族や友人といった身近な人に見せるわけにはいきません。
仲良くても創作に理解があるとは限りませんし、そもそも見られたら生きていられないという人も多いでしょう。
かといってプロの講評を仰ぐほどでもありません。
デビューを目指すならともかくたかがアマチュアの趣味、本職の方にお時間割いてもらうなんて恐れ多いことです。ボコボコに貶されたら立ち直れないかもしれません。
同好の士が互いを思いやりながら切磋琢磨し合う、理想の環境は何処に。

文紡は、それが叶う場所です。
考えてみれば大学のサークルという環境は、求めている条件をあっさり満たしていました。
大学の外でも見つけることは出来るのでしょうけど、在籍者にとって加入の手軽さで右に出るところはそうそう無いと思われます。

新歓号でもTwitterでも、茶話会でもふたば祭でも、窓口は問いません。
ご自身との相性を確かめる意味でも、一度「あやつむ」を覗いてみてください。
創作を愛する方々の間で文紡が憩いの場となることを、
私どもは願ってやみません。



という訳で、エンタメの趣向を他の方と変えてみました。
長い長い乱文をお読みくださった方がもしもいらっしゃるなら、その根気に拍手を。
それではお目汚し失礼致します。アカシャでした。


ああ、やっと終わった。途中経過を保存するなりモニターの電源を落とし、げんなりして席を立つ。
湯気の立つコーヒー片手に研究室を出た。今すぐ古文書まみれのデスクに戻る気にはなれない。
記事の後半は、有り体に言えば長めの宣伝文句だった。
派手とは言い難いコミュニティの性質に合う人間を引き寄せようと、必死こいて書き綴ったらしい。
結局効果は如何ほどのものだったのだろうか。
後世の人間である私は、記録を紐解いていけば知ることが出来る。しかしあれを書いた時点の執筆者が知る由は無い。
どんな気持ちで筆を執ったのだろう。自信満々だったのか、不安で仕方なかったのか。
こればっかりは、いくら史料を読み解いても窺い知れない。それで良い。それが史学というものだ。
人の心を想像して形と為すのは、作家の領域だ。
ラボの中でも最上級に展望の良い場所で立ち止まり、私は適温に冷めたコーヒーを啜る。
星明かりが明滅する窓の外を眺めながら、在りし日の遙かな異国に思いを馳せた。
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